和田 廣
史料が語るビザンツ世界
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| 価格 | 商品名 |
| ¥ 3,675 | 史料が語るビザンツ世界 |
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日本ビザンツ書籍出版第2段階の開幕 |
日本で出版されている多少専門的なものも含めて一般向けビザンツ書籍は、これまで通史・政治史・周辺民族交渉史・軍事史・宗教史・美術などに限られていた感がある。社会・経済・文化、文学・庶民や貴族、都市や農村の日常生活などに断片的に言及していることはあっても、これらを正面から扱った書物はまず無かったと言える。そんな中これらのテーマを描く書籍が少しづつ見られるようになってきた。
10年前の井上浩一「ビザンツ皇妃列伝」を先駆とし、昨年から尚樹啓太郎「ビザンツ帝国の政治制度」大月康弘「帝国と慈善」などが立て続けに出版され、今年はついに修道士や知識人、庶民の生活を扱った本書が出版されるに至った。
著者は以下の切り口で、ふんだんに史料を引用して活きたビザンツ世界を紹介してゆく
-皇帝
-宦官
-修道士
-大土地所有者
-知識人
-庶民
-隣人から見たビザンツ
皇帝のエピソードも対外交渉もトルコも十字軍にも飽きた。もっとビザンツ世界に生きた人々の生活世界に触れたい。
そんな願望をお持ちの方の望みを完全に満たすとは言えないかも知れないし、その切り口で望んだ日本で出版される最初の書籍とまでは言えないかもしれないが、日本のビザンツ出版は明らかに第2段階に入ったと言える。今後ビザンツ原史料の翻訳が出版されたり、ビザンツ文学の紹介や翻訳などへの展開に結びついていくかもしれない。巻末の原史料一覧も非常に有用。

