この本はいろいろ興味深いことが書かれているが、内容すべてが正しいとは到底いえない。理由としては、デーヴィッド アイクとアヌンナキの見方について異なっていることは別として、常識的に不自然なことが書かれているからである。まず一つが、地球にアヌンナキが飛来したのが44万5千年前で、その後すぐにエンリルが地球の支配者となり、紀元前約2000年前の、アヌンナキ間の地球植民地を巡る争いによっておきた地中海地域における核攻撃による2次災害で、シュメール文明が滅びるまで、エンリルが地球にいたとかかれているが、そうすると、エンリルは44万1千年間地球で生活していたことになる。これが常識的にありえるか考えても不自然だと判断せざる負えないだろう。著者は、惑星ニビルの公転周期は3600年で(地球の1年に相当する)アヌンナキの寿命は人間とは比べ物にならないと書いているが、それは惑星ニビルで生活していればの話であって、地球で生活しているアヌンナキには該当するとは思えない。2つ目は、この手の本によく書かれているアトランティス大陸やムー大陸の文明(紀元前1万2千年ごろ)や、20万年以上続いたとされるレムリア文明についてなんら言及されていない点である。これらの文明が、人間の手によるものかそれともアヌンナキによるものか不明である。しかし、我々の感性としては、アトランティスやムーで花開いた文明は、人間の手によるものだとなんとなく感じるものだが、著者によると、アヌンナキが最初に人類に文明を与えたのは、紀元前3800年ごろのシュメール文明だと書いてあるので、ムーやアトランティスの文明は、人間によるものではないということになるが、なぜかしっくり行かない。3つ目は、紀元前1万1千年ごろ、惑星ニビルが地球に接近した際に、南極の氷塊が南極海になだれ込み、大津波が引き起こされ、44万年以上にかけて築き上げてきたアヌンナキの文明は滅びたとかかれているが、なぜかアトランティスやムー大陸の文明が滅びた原因とも似通っているように思えてならない。しかし、この著書にはアトランティスやムーについての記述は一切ない。また、問題はこれなのだが、惑星ニビルは3600年ごとに地球に接近してくるということだが、なぜ紀元前1万1千年ごろに接近したときにはニビルの強い引力によって文明を滅ぼすほどの大津波が襲い掛かったにもかかわらず、それ以降の接近時には何も起こらなかったのだろうか。あまりにも不自然である。地球は46億年前に誕生されたといわれているので、惑星ニビルが接近した回数は、単純計算で127万7778回ということになるが、その中で地球にダメージを与えるようなことがあったか不明だが、少なくとも、ニビル接近によって大津波が引き起こされたとは到底考えられない。以前、いかがわしい宗教団体が、惑星ニビルが接近して地球が破滅するなどと騒いで事件にまで発展したケースもあったということだが、根拠のない勝手な妄想である。以上が、この本を読んで強く感じた疑問点だが、他の人はもっと違う点に違和感や疑問を感じるかもしれないが、批判するだけでなく、違う著書と比較検討しながら判断してもらいたい。そして、最後に言いたいことは、これまでアヌンナキについて、デーヴィッド アイクの著書も読んだことがあるが、この本とは内容がかなり異なる。同じアヌンナキに対しても見方が異なるし、アヌンナキが地球に来た目的についても異なっている。また、それ以外の多くの事柄についても異なっている。なぜこれほど書く人によって異なるのだろうか。アイクは、アヌンナキを地球のっとり計画を図っている悪質な爬虫類型異星人といっているが、一方でこの著者の本からは、地球に文明を与えたが、地球植民地を巡って争った、人類から神々とあがめられていた俗っぽい悪意のない異星人という風に感じる。どちらを信じるかは個人の感性の問題だが、アイクよりもこの著者の本のほうに信憑性を感じたい。