臼井 隆一郎
コーヒーが廻り世界史が廻る―近代市民社会の黒い血液
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人気ランキング : 111063位
定価 : ¥ 714
販売元 : 中央公論社
発売日 : 1992-10 |
コーヒーの存在を過剰に重視ししている部分もなきにしもあらずですが(例えば一次大戦時において、コーヒーが最重要戦略物資であるかのように描かれていたり)、とにかく読み物として面白い。普段読書をしつつ何気なく口にしているコーヒーに、かくも壮大な歴史があったとは・・・。気軽に、かつ楽しく読める本です。
世界商品としてのコーヒーがどのように歴史に関わり、世界を掻き混ぜてきたのかを読みたかったのですが、歴史を語る添え物としてコーヒーを使っているだけのような印象で、そのダイナミックさが読み取れず物足りなかったです。世界史についての記述も、貧書生さんが書かれているように、ユーモアのある語り口が時折、記述を説得力のないものにしていて、繋がりなども分かりにくく、ヨーロッパ史に詳しくない者からすると、少し混乱するように思いました。軽い読み口が好みの方にはいいでしょうが、積極的に世界史に絡むコーヒーを説明している、信頼できる本をお探しでしたら、他の書物を読まれることをお薦めします。
コーヒーの出自はイスラムにあり。「眠らずに祈り続け、神と合一する」ため、僧侶が飲むものとされていました。
そこから、イスラム世界で「社交の場」として「コーヒーの家」が生まれ、一般に普及します。
そして、コーヒーは「眠くならない効用」と「コーヒーの家」の文化的効能とが交じり合い、貿易を通じてヨーロッパにもたられます。
その後、イギリス、フランスそれぞれの歴史、文化に包まれながら、独自の発展を遂げていきます。
エピソードごとに参考文献を示していれば、学問書になったかもしれませんが、著者本人の言うとおり、これは「ひとつの寓話」なのです。
壮大なテーマを、肩の力を抜きつつ気軽に楽しむことが出来ます。傍らに一杯のコーヒーを添えて、お読みください。
イスラムの神秘主義者たちに修行上のツールとして愛飲されたコーヒーは、やがて陸路と海路を通じヨーロッパへ到達する。そして大航海時代を迎え、列強諸国は貿易と植民地支配に明け暮れ、市民の討論の場としてのコーヒー・ハウスが登場し…と中世以降の世界史とコーヒーの普及史は不可分であることをわかりやすく証明した一冊です。コーヒー好きにはもちろん、興味のない方にもお勧めできる、モノから見る歴史書と言えます。
読後の感想は「たかがコーヒーされどコーヒー」という感じかな。今や嗜好品とはいえ、石油に次ぐ貿易高を誇るコーヒー。世界史の中にしっかりと足跡を残していることを知ることができる。中東からヨーロッパへ、そして世界へ。世界史をコーヒーを通して見ることができる。文章もとても練れていて読みやすい。コーヒー好きの人にぜひともお勧めしたい一冊。