宮下 規久朗
バロック美術の成立
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| 価格 | 商品名 |
| ¥ 765 | バロック美術の成立 |
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芸術の世俗化 |
イタリア美術史を専攻する著者が、写実を求める西洋美術の「技術的頂点」であり、「キリスト教美術の最後の黄金時代」であり、17世紀の「真の国際様式」となった、バロック美術の盛衰について述べた100頁ほどの小著。バロックの通史や概説ではなく、バロックの系譜を主題的な流行と並行させる「従来にない試み」を志向する著者にとって、バロック美術は、ルネサンスを経て発展した自然主義的な表現と、聖性を維持する表現との両立を要請する、「幻視」の表現の追求を軸に展開したとされる(聖なる主題とリアリスティックな手法との拮抗)。その主な流れは、対抗宗教改革期の戦闘的な生々しい「殉教」画から、写実的な静物画を挿入しつつ暗闇に差し込む一筋の光により「回心」を表現したカラヴァッジョの?!?重空間、「法悦(エクスタシー)」を表現する祝祭的でイリュージョニスティックな天井画や劇場空間を経て、聖性を失った自然主義絵画へという道筋である。つまり本書では、芸術表現における「世俗化」が、社会背景を踏まえた具体的な作品の分析を通じて検出されているのである。
本書の学術的な意義については分らないが、「不在効果」とか作品と現実世界を結び付ける「媒体」とか「劇場空間」とかいった箇所は、私にはとても興味深かった。

